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写真のボケの条件を学ぶ




最近は、スマホ写真でも背景がよくぼけた写真が撮れるようになっているようですが
カメラを始めたからには、ぜひ、自分でボケ味を操れたら素敵ですよね。

ワタクシが通う、写真教室komugi
初回のレッスンは、主にその「ボケ」に関する復習でした。
(新型コロナの影響もあって、なかなかレッスンに参加できない状況が続いておりました が、教室の配慮で、この11月からのオンラインレッスンのクラスに移籍させていただくことができました。初回のレッスンは、以前一度受けたことがありましたが、再スタート1回目ということで、改めて復習から始めてくださいました。)

<写真をボカす>
被写体にピントを合わせ、その背景をぼかす基本を確認しました。
背景をぼかす条件の基本は4つ。

①絞り
②焦点距離
③撮影距離
④被写体と背景との距離

①絞り値(F値):小さいほどボケる
「絞り(しぼり)」というのは、カメラのレンズの光の量を調整するもので、
何枚かの羽根のようなものが重なっているような形をしています。
絞りを開ききった状態のことを「解放」といいますが、
解放に近づけば近づくほど、レンズを通る光の量は多くなりますので、明るい写真になります。

この「絞り」の具合を示すのが「F値(f/1.4 などと表記)」です。
絞り値(F値)が小さい=「絞っていない」ということになります。
で、このF値を変化させたときに、
明るさとともに変化するのが、ボケ具合です。

F値が小さいほど、背景がよくぼける、
F値が大きくなるほど、広い範囲にピントが合うようになる ということです。
※F値を大きくして、画面全体にピントが合った状態のことを
「パンフォーカス」と言います。

以前の講義で学んだことですが、
ピントが合う範囲というのは、点ではなく、「面」で捉える必要があるそうです。
例えば、ファインダーの中心にピントが合うように設定していたとして、
上手くピントが合ったときというのは、
中心だけではなく、その中心にあるものと同じ距離にあるものにピントが合うということです。
◎イメージ↓

で、F値によって、そのピントの許容範囲がどの程度シビアになるかということです。
F値が小さいということは、よくボケるということではありますが、逆に、ピントが合う範囲がシビアになります。
奥行の前後数cmズレると、すでにボケているということもあるので、ちゃんとピントが合っているかを
十分注意する必要があります。

F値を変えて撮った写真の一例がこちら。
同じ位置から、F値を変えて撮りました。
比べてみると、背景のボケ具合は一目瞭然ですね。
① f/11

② f/1.4

撮影の際、どれくらいのF値を目安にすると良いか曖昧でしたが、
先生に尋ねると、
ざっくり言えば
・通常の人物撮影では、絞り値 f/5.6くらい。
・パンフォーカスの風景画なら、絞り値 f/11くらい
を目安にすると良いとのこと。
もちろん、いろいろな場面によって調整はしていくのですが、
しっかり全体にピントが合った写真にしたければ、
f/11くらいまでは絞り込むんだということは、
恥ずかしながらここで初めて知りました。
プロの先生の生のアドバイスを聞けるというのは、教室ならではです。

ファインダーや液晶画面上では、絞り値を調整しても、
リアルタイムで、その場で反映されるわけではありません。
どれくらいのボケ具合になるかは、
撮った写真を見て確認しながら
調整するそうです。(カメラの仕様だそうです。)

 



②焦点距離:長いほどボケる
「焦点距離」というのは、レンズの中心から、カメラの画像素子(画像をキャッチするセンサー)までの距離です。
つまり、端的に言うならば、長いレンズほど、背景がボケるということです。
先ほどの花を、ズームレンズを用いて撮ってみました。
(今回は、絞り値はf/5.6に統一しました。)

①焦点距離 70mm

②焦点距離 300mm

これも、比べてみると、背景のボケ具合は一目瞭然ですね。

 

③撮影距離(カメラと被写体の距離):近いほどボケる
マクロレンズなどを使って接写すると、わかりやすいですね。
花びらの中心部分にピントが合っていますが、その周囲はしっかりボケています。

 

④背景と被写体の距離:遠いほどボケる
被写体と背景(壁など)との距離が離れていた方が、背景がよくぼけます。
人物撮影などの際、壁(背景となるもの)から離れた方が、背景はよくボケるということです。

消防車のミニカーの背景に、蒸気機関車の写真を貼り、
それぞれ距離感を変えて3種類比べてみました。
離れるほどに、汽車の写真はしっかりボケてきています。

<写真の背景をぼかすポイント>

①絞り値      ・・・小さい方がよくボケる
②焦点距離     ・・・長い方がボケる
③撮影距離     ・・・近い方がボケる
④被写体と背景の距離・・・遠い方がボケる



ABOUT ME
ひび たかまさ
1981年11月生まれ。 言語聴覚士、旅行介助士、公認心理師、お寺の副住職、消防団員、合唱指揮者。病院勤務時代、第3子の誕生を期に5か月の育児休暇を取得。大いに自らの価値観が見直されるきっかけになった。 2022年、病院を退職し、個人事業として開業。病院・訪問リハビリ・塾講師などを兼務しながら、失語症者の支援が自分の主な役割だと感じている。
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